1. 早期な問題発見と解決策の実行
問題・リスクがあるから、プロジェクト体制でパッケージ導入(情報システムの再構築)を
行う必要があります。自社・ベンダが一丸となって、それらの問題解決とリスク回避をプロ
ジェクトマネジメントの先導で行います。
(参考) 「トラブルの早期発見と兆候・現象・原因」ページ
① プロジェクト経験の浅さ・体制の弱さ・対象業務(上記:中堅・中小企業と大企業
の「プロジェクトマネジメント」の違い)からの問題の整理をします。
【解決策】 ・ 経営者への問題提起と支援依頼
・ 導入事例(失敗・成功)からのヒントとポイントを入手
(参考) 「導入事例の紹介」ページ
・ ベンダ(又は自社)への提案/提示/意見の依頼
・ 早期な問題解決が無理な場合は、優先的な問題管理の実施
② 作業フェーズ(要件定義・テスト・・・)で、作業の進め方などの問題の発見を行
います。
【解決策】 ・ 作業の開始前に、作業内容(成果物・スケジュール・必要情報・メン
バー・時間)の確認と合意
・ 前の作業フェーズでの持ち越し問題・保留事項の確認とその解決策
の具体化と合意
・ 作業途中においては、事実把握と発生原因/解決策の明確化と体
制・メンバーの見直し/強化
(参考) 「トラブル(問題)の解決策と予防策」ページ
③ 成果物に関する品質問題の発見を行います。
【解決策】 ・ 各作業フェーズで出来た成果物の「理解不能・範囲漏れ・不安事
項/矛盾」に対するベンダへ改善要求(一部、自社もありえます)
・ スキル不足の場合、具体的根拠を持ってベンダに提起
2.「自社とベンダ」間の共同・連携
自社プロジェクトとベンダプロジェクトの信頼に基づく作業の進め方がプロジェクトの成
果を出します。ベンダが自社(ユーザ)プロジェクトを如何にして支援・指導を行うかが
カギです。
① 自社プロジェクトが主体になり、ベンダプロジェクトを引っ張ってゆく姿勢と行動
が必要です。他人任せ/他力本願は徒労に終わります。
【ポイント】 ・ ベンダ提示の資料/ドキュメントのチェックを励行し、不明/理解不
能/漏れなどは改善をベンダに要求(一知半解は事故の元)
・ コミュニケーション/情報共有/問題共有をルール化して、その確認
と調整の場を定期的に実施(本音と信頼感を基に)
・ ベンダプロジェクトの問題は統括責任者に早めの提起
ープロジェクトマネジャー/リーダの資質/能力
-プロジェクトメンバーの資質/姿勢/責任感/適性
② ベンダは自社(ユーザ)プロジェクトの弱み・問題点を常にウオッチし、その改
善を速やかに提案することです。
【ポイント】 ・ 自社(ユーザ)の事実確認/資料提供/ドキュメント作成などは、サン
プル提示など具体的な支援が必要
・ スケジュール遅れ/意思決定の遅れ・迷いなどの発生は、遠慮なく
自社(ユーザ)に対して警告とマイナス面の提示(遠慮は無用)
-納期と最終成果物の品質への影響
-自社プロジェクトの体制/メンバーの変更
(参考) 「ユーザのためのプロジェクトマネジメント」ページ
(参考) 「ベンダのためのプロジェクトマネジメント」ページ
3.作業フェーズの組立てと作業内容
プロジェクトの開始における作業フェーズの組立てはプロジェクトマネジメントの最初の重
要な作業です。この作業結果は少なからず最終成果物の品質と目的達成に影響を与え
ます。当然、予算の制約を踏まえて効果のある作業フェーズの組立てを行います。
(参考) 「基本手順とパターン選択」ページ
① 目的達成/課題解決の視点から、自社のスタートの作業フェーズを決めます。プ
ロジェクト発足の準備作業で決めることが望ましいです。
【ポイント】 ・ 情報システム以前の業務ルール/管理基準/取引条件/問題整理
などの範囲と大小の整理
・ それらの課題/問題の消化が自社のみで行うことが可能か否かの
判断と実行計画の作成
(参考) 「やさしい導入計画(実行計画)」ページ
② 各フェーズごとのベンダと自社の作業内容と役割分担、及びその作業の相関性
を具体的に理解し行動できる条件を整えることが重要です。
【ポイント】 ・ 作業の成果物/スケジュール/納期、及び次作業フェーズとの連携
に関する理解と合意
・ 作業途中で発生した不明・疑問事項への対応ルール化とそれらの
情報管理の徹底
・ 成果物に対する「自社」「ベンダ」「自社・ベンダ共同」のレビューの
スケジュール/参加者の計画と実施
4.自社・ベンダともに学び、成長できる環境
成功したプロジェクトには成長したプロジェクトメンバーとSEが必ずいます。プロジェクト活
動は人を成長させる場であり機会でもあります。「無から有」を創る側面と「全体観」「コミ
ュニケーション」の重要さを持ち合わせているのがプロジェクト活動の特徴です。
① プロジェクトメンバー/SEに対して、コミュニケーションと情報共有を基にオープ
ンにして規律ある作業環境を作り活動をしやすくします。
【行動指針】 ・ プロジェクト参加メンバー/SEに対して、プロジェクトの目的/対象
範囲/担当業務などを説明し、理解をえます。
・ 参加メンバー/SEからの要望を聞き、個人目標に近づけた作業依
頼を本人と合意します。(不可の場合、今後の考慮事項とします)
・ 参加メンバーに対して、可能なかぎり自由裁量権を与えます。
② セッション/打合せの場を重視し、お互いに対等な関係で討議し合意を得る環
境にすることです。
【行動指針】 ・ セッション/打合せルールを作り、そのルールに則って討議と合意
及び意思決定を行う習慣にします。
・ 意見/討議は事実なりドキュメント資料に基づいて行い、なるべく
主観的意見なり推測などは避けることです。
・ 全社的視点/社会的要因/事業環境などの観点も入れながら意
見/討議を進めることです。
【参考】ダウンロード資料<520 パッケージ導入における「セッション」の役割>
|