中堅企業・中小企業における価値あるパッケージ導入の手引き

 

 
 
 
 

これからの企業情報システムのあり方

              【ページ構成】  ■ 業情報システムの役割
                         ■ 良いパッケージの条件(情報システムの機能)
                         ■ 情報システム創りの条件
                         ■ 「価値ある企業情報システム」を築いたエンジンは? 

       企業活動にとって、情報システムの果たす役割はますます大きくなりつつあります。事業基盤としての
   基幹システムを担っています。経営情報を含めた企業情報システムをどのように構築(=パッケージ
   導入)すれば企業活動に正しく貢献するかを理解し実践することが肝要です。
   これからの「企業情報システムのあり方」は企業情報システムの役割・良いパッケージの条件・情報シ
   ステム創りの条件からのアプローチが必要と考えます。システム開発にも適用できます。
                                    (参考) 「業務改善への情報システムの活用」ページ 

                       【参考】ダウンロード資料<300 生命力のある企業情報システムとは>
         

                      

  企業情報システムの役割

    企業活動を構成している「経営管理-マネジメント-業務処理」を軸にして、企業情報システムで行
    える役割と範囲を明らかにします。また、企業情報システムの構築(パッケージ導入)を行う目的と理
    由を明確にします。そして、必要な手段としての情報システムを経営情報のあり方を視野におきなが
    ら最適なシステム機能を検討し、具体化します。

      

 

 構成

  • 経営管理・マネジメント・業務処理がおのおの独立した目的と機能を持っています。
  • この構成している経営管理・マネジメント・業務処理はその役割を有効に働かせるには、スピードのある相互の情報連携が必要です。
  • 情報システムは業務ルール/管理基準と表裏一体で、これらの構成している経営管理・マネジメント・業務処理を有機的に統合するを可能にします。この統合化の見方が企業情報システムのあるべき姿に不可欠です。 

 指針

  • 業務改善なり管理レベルの向上は、既存組織を横断した取組みが必要です。全社的な視野による「組織横断の業務改善の実施」が避けて通れません。
  • 取引先・顧客とは全て取引条件・ルールに基づいて行われています。取引先・顧客との効率的な業務遂行のために「取引先に向いた仕組み構築」が必要です。
  • 作業・管理はそれに必要な情報に基づいて行われます。その作業と管理の質を上げるためには、「情報の連携と共有化の徹底」が基本条件です。 
  • 上記構成の管理と作業の発展と事業変化への対応を考えると、固定帳票類を最小限に抑えた「ノンペーパによる臨機応変さ」の仕組みがシステム化のポイントです。 

  良いパッケージの条件(情報システムの機能)

    良いパッケージを見極める目は、自社の要求するシステム機能に対する「全体と個別」の見方が必

    要です。「全体と個別」の全体とは事業に対する経営管理から見たマネジメント・取引先・業務処理

    であり、システムに必要な支柱・中枢・土台機能の内容です。

    個別的な機能(例:受注処理の仕方)に対して、全体の視点(例:「受注の欠品率」マネジメント、「受

    注方式の拡張」土台機能)から個別のシステム機能を決めていくことが大切です。

 

     (1) 自社の事業活動からの条件  

              パッケージ導入は自社の事業活動を支えるためにあるので、事業の根幹をなす経営
             管理・取引先・業務処理からのシステム機能を有することが条件になります。

          

 
  • 取引条件ありきの業務条件と捉えて、業務処理(作業・手順・連携・判断)のシステム化を行います。また、業務効率と作業品質に関してもシステム化の検討の中で反映させます。
                  【参考】ダウンロード資料<310 企業と取引条件>                                         
  •  経営管理を充実させる視点から取引条件・業務条件のシステム化を行います、経営管理に必要な情報をタイミング良く得られる仕掛けを創ります。
  • 経営管理・マネジメント・取引先・業務処理の独自のシステム化を行いながら、全体の統合性と相互の情報連携がシステムの生命線になります。 
                                 (参考) 「これからのパッケージ商品のあり方」ページ 

     (2) 情報システムの機能条件

             情報システムの機能構成を理解しパッケージ商品なりベンダ提案を吟味することは、パッケ
               ージ導入の試金石になります。
               建物での見えない土台・柱・電気系統などに相当します。

                                                

  情報システム創りの条件

     自社にとって良い情報システムの基盤創りはまさに「作る」でなく「創る」です。パッケージ商品
     の購入にしろ情報システムの再構築にしても、自社のそれを受け入れる条件と体制が不可欠
     です。この条件なり体制の出来具合で、「創る」内容が決まり稼動する情報システムのあり方が
     決まります。それを支えるのがリーダシップを伴ったプロジェクトマネジメントです。
                          (参考) 「成果をあげるプロジェクトマネジメント」ページ

       

 

 関係者の創意工夫と熱意

  • パッケージ商品を道具として、どのように使うか使えるかを見定めて使い方を関係者で決めることです。全社的視点からの自分の道具選択という問題意識と姿勢での取り組みです。
  • 経営者・マネ-ジャ・一般者の立場からの必要な枠組み創りと関係者間での仕組み・仕掛けの高め合いと合意が必要です。

 「業務ルール」の改善

  • 管理基準から作業のやり方まで大小を問わず、業務ルール・管理基準などの検討が発生します。この検討結果を踏まえて、システム機能の検討と適用が行えます。
  • 逆に、システム機能の検討結果に応じた管理基準・業務ルールの改定が発生する可能性もあります。

 「自社・企業」の基本認識

  • パッケージ導入の際に、企業としての自社のあり方を基本に立ち返って再認識することを薦めます。「木を見て森を見ない」ことを避けることと、全社的な観点からのシステム機能の適用可否の判断のためです。
                    【参考】ダウンロード資料<320 企業の仕組み> 

 ベンダの積極協力と活用

  • (ベンダ)PM・SEの持っている経験・ノウハウを最大限に活かすことです。
  • ベンダからの提案・提示は必ずドキュメント回答で依頼し、そのドキュメントを基に検討を行うことです。  
                   (参考) 「信頼できるベンダの選択」ページ
 
  パッケージ導入の目的達成のためには、自社(ユーザ)としてのやるべきこと
        を整理しやり遂げることが必要不可欠です。そのためには自社のプロジェクト
       マネジメントの役割が大切です。その参考情報です。
                → 「ユーザのためのプロジェクトマネジメント」ページ 
                       → 「ベンダのためのプロジェクトマネジメント」ページ 

   「価値ある企業情報システム」を築いたエンジンは?

     成功したパッケージ導入(情報システムの再構築)には必ず参考になる部分があります。

     「人」であり「作業の仕方」であり「体制・リーダシップ」にその成功要因があります。情報システム

     創りのエンジンに当たる部分です。筆者の実体験から、参考事例をあげてみます。

 

 しっかりした体制(卸売業)

  • 経営者が統括責任者になり、ほとんどの打合せ・セッションに参加して討議内容をきっちり把握し、作業の進め方などの問題点に対して適切な指示とアドバイスを行う。また、実行責任者のフォローを的確に行う。
  • 統括責任者が実行責任者・メンバーの相談にのり、ベンダに対しても的確な要望・要求をタイミング良く伝達する。
  • プロジェクト体制と運営が信頼の上に成り立ち、機能していた

 熱意ある人の存在(サービス業)

  • 経営者の要求をしっかり受け止め、要求の実現のために管理・業務の改善を行いシステム機能に見事に落とし込む1人の若い社員がいた。
  • 反対する人を含め、関係者が納得せざる得ない内容をドキュメントを通して理解してもらい経営者の信頼の下に作業を進めた。

 着実な作業の進め方(小売業)

  • ベンダと協力して、自社に必要な作業(現状調査・事実・統計・問題点・・・)を洗出し、その担当者と納期(WBS)を決め確実な中間成果物を出す。
  • その成果物に基づき、あるべきシステム像を明らかにして必要なシステム機能の具体化を行う。結果として、経営者の満足する情報システムが出来上がった。
  • リーダとメンバーのチームワークの良さが根底にある。

 リーダシップの発揮(製造業)

  • 利害の絡む生産・営業・管理・物流に対して、その部門間の調整と判断を根回しを含め確実に行うリーダ(実行責任者)がいた。
  • 全社的な視点から現状業務の問題に対して、その解決案を提示する。その内容はシステムでの対応、業務ルール改善による対応、作業のトレードオフ対応などを明らかにして実行責任者が水先案内人に徹する。
  • システム仕様と業務処理の検討打合せにおいて無駄・無意味などをはっきり言い、関係者からの実行責任者への信頼が厚い。
  • プロジェクト会議に理由もなく2回続けて遅刻したメンバーを、プロジェクトから外すことを実行責任者が自ら行った。
        


 

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