業務改善・改革を成功させるためにはそれなりの準備が必要です。上記「業務改善の出発点」での判断と行為に基づいて、業務改善・改革を成功に導く段取りと道筋をつけることです。
「段取り八分」と言われるように業務改善作業を効率的に行うには、プロジェクト体制・業務改善手順・実行計画などを整備することです。
● 「目的・期待効果」の合意とプロジェクト体制
1.「目的・期待効果」の合意
・ 関係者に分かる内容「目的・期待効果」にする
・ 努力すれば実現可能な内容「目的・期待効果」にする
・ 経営者、関係者でその内容を合意する
2.プロジェクト体制の確立
・ 目的達成に必要なメンバーを集める
・ 社員育成の場でもあり、幹部候補生も含める
・ 仲良しクラブを避け、必要な口煩い人も入れる
・ 新鮮でお互いに刺激を受ける場にする
(参考) 「成功事例から学ぶべきこと」ページ
● 「業務改善」の手順と実行計画の作成
1.「業務改善」の手順
・ 「改善3パターン」適用への対象課題の選択
・ 「課題解決」フェーズの位置づけ(課題の重さ・解決期間も考慮)
・ パッケージ適用の位置づけ(課題解決が先か、パッケージが先か)
(参考) 「基本手順とパターン選択」ページ
(参考) 「課題解決の簡単な進め方」ページ
2.実行計画の作成
・ 課題解決のための実行計画書の作成
・ 実行計画書作成の留意点(次のことを明確にする)
-作業内容の分かり易さと作業順序、日程
-作業担当者(職制にとらわれず、適任者の選任)
-期待効果の明示(定量表現がベター)
【参考】 ダウンロード資料 <710 「(業務改善)実行計画書の事例」>
● 「業務改善」の原則と情報システムの活用
業務改善の結果が「仏を作って魂入れず」になって、元も子も無いでは意味があり
ません。業務改善作業ではこの魂にあたる「原則・情報システムの活用」を理解し
具体化することです。
1.業務改善の原則
これからの業務改善は業務処
理のみの対象では、目的達成
は困難になる可能性が高いで
す。マネジメントの改善があって
業務処理の改善も可能です。
業務処理とマネジメントの両方
の改善をして、情報システムを
活用した業務改善と言えます。
① 迅速性の原則
業務処理の計画/実績/進捗に関する情報を必要な人に分かり
易くタイミング良く提供できる仕組み。
② 問題発見の原則
管理基準の評価、基準外の情報など問題発見を自動的に抽出
し、関係者に伝達する仕組み。
③ 自動化の原則
人が必要以上に努力・作業しなくても、「ある結果・出力」になら
ざるを得ない仕組み。
④ 標準化の原則
ムダ・ムリ・ムラの無い効率的な作業方法で、誰でもができる仕
組み。例外・個別処理もこの仕組みに含めること。
⑤ 分業の原則
作業効率と内部牽制を考慮し、責任を明らかにして作業を分類し
行う仕組み。
2.情報システムの活用
情報システムの持っている特性を理解して、業務改善の作業を行うことで
す。そのことが情報システムを活かした業務改善になります。
● 課題解決の糸口は、業務間・部門間・事業間にあり
→ 情報連携、役割の見直しなどの横串を通す
● 部分最適の積み重ねが全体最適を実現する道なり
→ 重要性の高い課題解決が業務改善につながる
● 自社の足元を正しく事実認識して、業務改善が可能なり
→ 問題点の原因を直視して、問題がなくせる
● パッケージ適用と業務改善は表裏一体なり
→ 情報システムを道具としての活用が業務改善なり
● 分かり易く実務的な言葉と検討がアイデアを呼ぶ
→ 情報システム用語は業務改善の的を外すことあり
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