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稼動準備が「稼動品質」を決める 【ページ構成】 ■ 稼動準備の体制確立
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1.稼動準備の体制 |
2.現状の仕事 |
3.経営者の理解・承認 |
4.全員への周知徹底 ・ 経営者の承認事項を全員に徹底する。 (全員の協力なしには稼動準備の成功はありえない旨を含めて) ・ 周知徹底の中での、意見と要望には耳を傾ける。 |
現行システムとの移行処理及び新システムに必要なマスタなどの登録作業を含めた移行・切替
作業は一般的に大きなリスクを伴います。本番稼動の失敗なり延期の事例を見ると、多くはこの
移行・切替作業に原因があります。一過性の仕事で軽視しがちですが、非常に緻密な作業が要
求され移行・切替作業計画の作成が必要不可欠です。ユーザとベンダがお互いの知恵とスキル
を出し合って計画を作成し行動することです。
【参考】 ダウンロード資料<220 移行・切替作業の計画書(サンプル)>
● 作業の「見える化」←移行・切替作業の計画書
・ 作業進捗を誰でもが一目瞭然に確認できること。(壁などに貼りだして管理)
・ 中間と最終の作業完了時間を決めること。(トラブル発生の想定を前提)
・ ユーザとベンダの作業範囲と手順及び責任を明確にすること。(連携の重視)
・ 作業遅れの発見と作業の成果物チェックを重視して作業管理を行うこと。
● 作業タスクの洗出し・整理
・ 移行・切替作業当日の以前に準備できるタスク、当日のタスク、稼動後のタ
スクに分けて整理すること。
・ ユーザ独自、ベンダ独自、ユーザとベンダの共同の観点から必要タスクの洗
出しと整理を行うこと。
・ 洗出し整理したタスクに対して、順序と相関性をチェックし纏めること。必要に
応じてエンドユーザの検証を入れること。
● リハーサルの実施←完全なテスト実施を踏まえて
・ エンドユーザが認める満足な結果が得られるまで、テストを行うこと。
・ 作業タスクの成果物に対して、責任ある検証者を決めること。
・ 品質保証ができるテスト結果を踏まえて、関係者全員の参加を基に本番同
様のリハーサルを行うこと。
・ リハーサル実施には、新システムの動作確認・作業確認を含めること。
稼動準備の対象は、社内・取引先・現行システムが基本になります。ただ、パッケージ導入の
機会を捉えて、原価管理・在庫管理のあり方・社内手続きなどを変えるケースもあります。その
場合はその管理内容を整理して、どこに影響を及ぼすかの検討が大事です。検討結果をこの稼
動準備作業に反映させます。また、コンティンジェンシー計画作成も含まれます。
1.社内 ① インフラの整備・展開 ・対象拠点のインフラ構成、ネットワーク設計 |
② 業務・管理の変更点/改善点の徹底 |
③ 教育研修 ・教育研修の対象者選定(階層別、業務別・・・・) ・教育カリキュラムの作成 (システム機能、業務/管理の変更と改善含む) ・実施スケジュール、体制、役割分担 |
④ 運用体制 ・問合せ体制(操作、業務処理、管理内容・・・) ・問題管理(システムミス、改善要望、問題点対応・・・) ・ベンダとの役割分担 ・掲示板/メールなどの活用 |
2.取引先 ① 取引先内容の変更点の案内 ・伝票/取引帳票の変更点明示と案内文書 ② サービス向上の案内 |
3.現行システム ① 併行稼動 ② 移行処理
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パッケージ導入に必要な作業を積み重ねて、最後の作業が「稼動判定」になります。この作業の
判断は安定稼動の実現に大きな影響を与えますので、一つのミスも許されません。稼動安定を
保証する作業結果としての品質を見極めることです。「稼動準備」「移行処理・切替作業」「シス
テム」に関しての最終点検を行い、稼動条件を満たしているかの最終判断を行います。一つでも
不良なり不安があれば稼動の延期を決めるべきです。稼動後の混乱は目に見えています。
パッケージ導入の稼動により、一部組織変更なり人事異動を行うことを考慮するケースもあり ます。情報システムの役割を発揮させるためには、その情報システムの維持管理と発展が 必要になります。このことを経営として明らかにします。その結果、情報システムを取扱う組織 の位置付けを変更することがあります。次のようなケースに該当する場合、組織変更・人事異 動に一考を要します。 ① 事業活動における情報システムの比重が高く、今後も情報システムの 役割の強化と拡充を図っていく必要がある。 ② 情報システムが他社との差別化・競争力に必要な武器になっている。 ③ 今まで、情報システムの評価が低く社内で裏方として扱われたため、 ④ 情報システムの担当者はいるが、組織的には曖昧になっている。 |