中堅企業・中小企業における価値あるパッケージ導入の手引き

 

 
 
 
 

テスト計画・テスト作業・品質管理の重要性

      テスト計画・テスト作業はパッケージ導入において最も大切な作業です。この作業の結果が情
      報システムの品質を決めますし、稼動後における情報システムを使った業務処理の安定性を
            左右します。ベンダとともに自社としても、このテスト計画作成とテスト作業に全力で取組むこと
            です。プロジェクト活動の真価が問われますし、プロジェクトマネジメントの見せ場でもあります。
            作業開始とともに品質内容をしっかり見極め、問題解決を早めに図ることです。また、テスト計
      画作成と作業の事前準備を漏れなく具体的に行います。
      テスト計画、テスト作業及び品質管理の目的は次のような内容です。この目的達成のためにプ
      ロジェクトのエネルギーの全てを投入します。
 

                     テスト計画    テスト環境・条件に合わせたテストフェーズごとのテスト計画を
                     作成します。ベンダの責任範囲を明確にし、そのテスト結果に
                     応じて、自社でのテストを行う計画にすべきです。       
          テスト作業   情報システムの品質を保証するために必要なシステム検証を、
                     システム利用者の立場から行うことです。システムの不都合な
                     点・問題点を見つけベンダとともに解決することです。

          品質管理    自社の目的達成のために、必要なシステム機能が問題なく働
                     く状況を作り出すことです。「情報システムの安定化」と「必要
                    要件の確認」の管理をすることです。

                 

テスト作業における3つの鉄則            

     ベンダとともに行うテスト作業は、作業の持っている特質を理解することが作業を進めていく上
     で必要です。その特質(=鉄則)に立って、自社としてのテスト作業に臨むことです。そのことが
     テスト品質と作業進捗の向上に役立ちます。

         

      1.テスト計画は進化する

         奇異に感じる言葉と思われますが、現実のテスト作業は「テスト計画の進化」が避けて
         通れないです。なかには後退もありますが・・・・。

           
                   最終ゴールを想定してのテストケースを全て最初の計画で洗い出すことは、

              不可能です。必ず、テストケースの漏れ・抜けがあることを考慮したテスト計
              画(特にスケジュールと体制)を作ることが最善なやり方です。

              テスト作業を行っている最中に、そのテストケースに対する「新たなテストケ

              ースなり違うテストケース」に気づくことがあります。業務処理の複雑さが背

              景にあります。このテストケースの発見・深化は品質にとって大事です。

              前作業「要件定義・Fit&Gap・カスタマイズ・設計」などのミスが原因で計画

               の見直し・追加が発生する場合もあります。 

                             これらの「漏れ・抜け・発見・深化」を想定した計画が良いテスト計画とも言え

              ます。       

                      参考】 ダウンロード資料<170 「テスト作業」と品質 」> 
                参考】 ダウンロード資料<175 「ユーザテスト条件整理一覧」                        

     2.ベンダテストには限界がある

         この言葉も不思議に感じられるかと思います。これも現実であり、品質確保を図る上
           での大事な認識です。パッケージをそのままの導入ケースにおいては起こりえない

             

            ベンダがパッケージ導入の対象である自社の業務処理・管理内容からのテス
               トケースを全て洗出し、整理することは困難です。
              ベンダはデータ処理を軸に行い、作業面・業務処理面・管理面からのテストケ

                ースまでのノウハウが弱い。(参照:「テスト作業」と品質)

              テスト計画でのベンダテストが完了次第、早めに自社のテスト作業を行うこと

                が品質管理にとって必要です。ベンダへの過信は禁物です。

              参考】 ダウンロード資料<190 テスト作業におけるベンダチェックリスト> 

      3.テスト管理は「量と質」で行う

         ベンダのテスト計画に対する実績なり進捗は、テスト作業のケース消化の量と

         システムの重要ポイントに応じた質での評価が必要です。

        

            テスト計画の進捗・実績を管理するためには、評価基準としての計数管理は

              必要です。ただ、この計数を表面的に見て「例:残作業=残テストケース」と
              判断することにリスクが潜んでいます。テストケース・問題・障害の重み付け
              (=重要度の質)を見ないからです。

            業務処理は取引条件・管理基準との関連性・相関性があります。また、これ

              らの条件が複雑になっているケースもあります。業務処理・取引先対応・管理
              内容などの関連性からのテストケース(=質)が不可欠です。

             ベンダのテスト管理表を鵜呑みせず、自社のテスト行為の結果でテスト評価
              を行うことが自社の責任です。 
                                             (参考)  「トラブル(問題)の解決策と予防策」ページ

 テスト品質を向上させるための準備   

     品質向上を図るには、それなりの事前準備をきっちり行うことです。ベンダ任せにせず、自社で
     使う情報システムという自覚をもち、自社のテスト作業の環境を整えることです。 

                           1.ベンダテストの結果・状況を確認する

                 ・ 未テストケースの有無とその理由  

                 ・ 不充分/不安テストケースの有無とその理由

                 ・ 要件定義・Fit&Gapなどの前作業との差異発生の有無とその内容

                 ・ 自社による抜き取り検査の実施。システム動作の確認

             2.ベンダのテスト計画のレビューを行う

                 ・ 自社のテスト要求の反映。テスト参加者が行う作業の確認

                 ・ テスト環境、条件、スケジュール、体制の確認
                 ・ テスト担当のSEとPGのスキルの確認(協力会社のスキル把握が重要)

                 ・ テスト計画の作業における中間・最終での評価基準の設定

                 ・ テスト目的と対象範囲の確認

             3.テスト参加者の参加意識を高める

                 ・ テスト計画の説明と納得を確認

                 ・ 参加者の目的、役割、作業内容の確認

                 ・ テスト作業の手順、ルール、問題管理、進捗管理の確認

                    参考】 ダウンロード資料<180 「テスト参加者」ガイドライン>

 「抽象化と具体化」とテスト 

        

パッケージ導入という作業は基本的に「抽
象化と具体化」
の作業とも言えます。

中堅・中小企業の多くは担当者・管理者の
工夫と改善を背景にして自社の業務と管理
を行っています。

多様で複雑な業務処理を共通化・改善化
するのがパッケージ導入です。そこに抽象
化作業があり、その抽象化したシステムを
現状・要望の立場から検証するのがテスト
作業であり具体化作業です。

 
■ システム品質と稼働品質を決めるテスト作業はパッケージ導入(システム
   開発)の最も大事な局面です。このテスト作業に関する情報なり解を探し
  ている方は
「お問い合わせ」ページにてご連絡を頂ければ可能な範囲で対
  応させて頂きます。
                                   「お問い合わせ」ページ

         ● プロジェクト活動における問題の発見と現象、又は問題発生の原因に関心
           のある方は次ページを!

                            (参考) 「トラブルの早期発見と兆候・現象・原因」ページ 

     プロジェクトマネジメントとしての問題解決策と予防策に関心のある方は
           次ページを!
               (参考)  「トラブル(問題)の解決策と予防策」ページ

  ● 「ユーザのためのパッケージ導入」セミナーのご案内

 
 セミナーの目的
       ・ 受講結果、自社に戻り独力で必要な作業を消化できる。
       ・ 社内手続き、社内協力、資料作成及び問題解決を容易にする。
       ・ パッケージ選定、システム品質及び稼動に必要な知識が理解できる。
 セミナーの内容
      
① 導入準備に必要な作業内容と実践ポイント
       ② 最良なパッケージ・ベンダ選定のための実施方法
       ③ 価値ある要件定義書を作成する実践ポイント
       ④ 安定稼動に必要なユーザテストと社内準備 
  開催の要領
         「ユーザのためのパッケージ導入 徹底解説」セミナー

 

 

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