パッケージ導入を成功させるために
中堅企業・中小企業は大企業と異なり、情報システムのパッケージ導入を行う際に様々な課題を抱え
ております。パッケージ導入(=システム導入)を成功に導くためには、RFP作成・Fit&Gap・要件定義
などの作業の進め方とやり方及び成果物に関する経験不足と知識不足を埋めることにあります。これ
らの不安事項を取り除く作業が優先します。また、自社のパッケージ導入(=システム導入)への経営
者の意志、体制及びスケジュールなどのプロジェクト活動の基本を明確にすることも大事です。
パッケージ導入に関して、中堅企業・中小企業の持っている制約条件を正しく認識し、行動に移すことが
失敗を回避し成功させるポイントになります。
① 「情報システムは道具」という認識不足によるパッケージへの誤解
② 中堅・中小企業の置かれている厳しい事業環境への理解不足
③ 個々の企業の持つ予算・人材の限界を考慮した対応力の弱さ
パッケージ商品の選択と導入は自社の課題整理をじっくり行い、自社としての「やるべきこと」を整理・
実行することから始まります。この基本作業を行って、自社の要求に適したパッケージ商品とベンダの
選択がパッケージ導入を成功させるための出発点と考えます。自社から見ての「システム要求への
適合性」の高いパッケージ商品と「自社への理解」のあるベンダの選択が成功への第一歩です。
(ここでのパッケージ導入は、ERPパッケージを含めた業務系・管理系・情報系のシステムを
意味しております)
(参考) 「企業情報システムのあり方」ページ
(参考) 「業務改善への情報システムの活用」ページ

【参考】 ダウンロード資料<040 情報システムの役割とパッケージ導入>
【参考】 ダウンロード資料<800 中堅・中小企業と内部統制>
中堅企業・中小企業の特性
個々の企業を取り巻く経営環境はそれなりの厳しさと歴史を持っています。また、企業の持つ体力も一
つの投資の際の制約条件です。企業は、次のような事柄に該当する何点かの課題・問題点を抱えてお
ります。これらの課題・問題点を自社の条件として扱い、パッケージ導入の検討を行うことです。
① 付加価値をつけるための取引条件・社内の管理内容・業務プロセスが多様
② 扱い商品の特性が多様、事業形態(又は取引形態)が複数
③ 人に依存した作業・判断が少なからず存在
④ 限られた予算・投資の金額
⑤ 人材・工数・作業時間の確保の限界
⑥ 現状の仕事を抱えてのパッケージ導入の作業
⑦ 現行システムの維持と運用
パッケージ導入を成功させるためのポイント

① 経営者による目的・理由の承認
自社として「何のために、パッケージ導入を検討するのか」の目的・理由・背景を明らかにすること
です。その内容を経営者が理解し、承認して経営方針なり事業計画にのせることがパッケージ導
入の出発点になります。
(目的・理由・背景) → 取引環境/扱い商品/事業形態の変化対応、経営管理の充実、
業務処理の効率化、新事業、現行システムの限界・・・
② 目的達成のための課題整理
目的達成による期待効果を実現するための課題・障害を整理して、「どのようにすれば実現できる
のか」のパッケージ導入計画を自社なりに作ることです。段取り八分の姿勢で解決すべき課題整
理と稼動までの基本スケジュールの作成です。これがパッケージ導入の検討開始になります。
(課題整理の対象) → 経営管理、業務処理、現行システム、営業活動、取引先対応、
生産/加工管理、社内取引、マネジメント、情報活用、事業形態・・
(参考) 課題解決の簡単な進め方ページ
【参考】 ダウンロード資料<812 「問題解決」の進め方>
③ 不安・不明事項の洗い出し
パッケージ商品の選択と導入に関する作業の中で、「知らないこと」「分からないこと」「出来ないこ
と」を含めて、不明・不安な項目をきちんと洗い出し整理することです。曖昧な知識と理解は、パッ
ケージ導入の検討・作業・判断において自社にマイナスに働きます。
(不明・不安事項の解消) → ベンダとのヒアリング、ベンダからの情報入手、事例収集、
他社・コンサルティングの利用、この「手引き」の活用
④パッケージ商品の見極め
自社の目的達成のために必要なパッケージ商品の選択は、自社の課題解決とシステム要求へ
の適合性を見極めることです。また、パッケージ商品のシステム機能・特長・社会的ニーズへの
対応などを具体的に抑えることです。
(見極めポイント) → システム要求への適合度、カスタマイズ・アドオンの少なさ、
導入実績、情報セキュリティ、内部統制・・・・
(参考)パッケージ商品の選択方法ページ
⑤ 信頼できるベンダの選択
パッケージ導入のベンダ選びは、パッケージ導入の成果を左右することになります。ベンダの実
力、なかでも担当予定のプロジェクトマネ-ジャ・主担当SEの力量とそれを支える組織バックアッ
プの把握がキーポイントになります。
(ベンダ評価) → 課題解決への具体策、PM・SEの力量、ベンダのフォロー機能、
サービス体系(導入手法・ツール・品質管理・運用保守・・・・)
(参考)信頼できるベンダ評価と選択ページ
(参考)ベンダ選定の事例ページ
言葉の使い方「課題と問題」
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課題=企業活動において、「先々、障害になる事項・解決すべき事項」「障害になっており
解決すべき事項」を意味しており、単独で使用の場合は、「問題」の意味も一部含ま
れています。
問題=現状の企業活動において、障害なり未達・損失になっている事象を意味しています。 |
● 「ユーザのためのパッケージ導入」セミナーのご案内
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セミナーの目的
・ 受講結果、自社に戻り独力で必要な作業を消化できる。
・ 社内手続き、社内協力、資料作成及び問題解決を容易にする。
・ パッケージ選定、システム品質及び稼動に必要な知識が理解できる。
セミナーの内容
① 導入準備に必要な作業内容と実践ポイント
② 最良なパッケージ・ベンダ選定のための実施方法
③ 価値ある要件定義書を作成する実践ポイント
④ 安定稼動に必要なユーザテストと社内準備
開催の要領
「ユーザのためのパッケージ導入 徹底解説」セミナー
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